「ポップアート」と聞くと、多くの人がアメリカを思い浮かべるのではないでしょうか?
しかし、実はポップアートの発祥はイギリス。
その後アメリカで大流行したことで、「ポップアート=アメリカ」というイメージが定着したのです。
ポップアートの誕生:イギリス発のムーブメント
「ポップアート(Pop Art)」とは、「ポピュラーアート(Popular Art)」の略称で、1950年代のイギリスで誕生しました。
きっかけを作ったのは、インディペンデント・グループ(IG)というアーティスト集団。
その先駆者として知られるリチャード・ハミルトンは、1956年の作品「いったい何が今日の家庭をこれほど変え、魅力的にしているのか?」でポップアートの方向性を示しました。
彼はポップアートを次のように定義しています。
「通俗的、一過性、使い捨て、低価格、大量生産的、若者向け、機知があり、セクシーで、トリックがあり、華やかで、ビッグビジネス」
この言葉には、当時の時代背景が大きく関わっています。
第二次世界大戦後、欧米では急速な経済成長が進み、大量生産・大量消費の社会が到来。
新聞だけでなく、テレビCMなどのメディアが消費を加速させ、人々は「より良い生活」を求めるようになりました。
そんな中、アーティストたちは伝統的な西洋美術と、大衆文化に溢れた日常とのギャップに違和感を抱きました。
そして、日常にある商品や広告を題材にした作品を生み出し、新しいアートの形としてポップアートが誕生したのです。
アメリカで全盛期を迎え、世界へ
イギリスで生まれたポップアートは、1950年代後半にアメリカに渡り、爆発的な人気を獲得。
アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインといったアーティストたちが、大衆文化や広告・商品をモチーフにした作品を次々と発表し、ポップアートは一大ムーブメントとなりました。
その後、ドイツや旧ソ連、日本をはじめとするアジアや南米へと広がっていきました。
イギリスとアメリカのポップアート、その違い
同じポップアートでも、イギリスとアメリカでは根本的な意味が異なります。
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イギリスのポップアート → 伝統的な価値観への反発と、アメリカのマスメディアや機械文明への共感
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アメリカのポップアート → 豊かな経済と大量消費社会の現実をリアルに反映した表現
つまり、イギリスでは「文化的なメッセージ性」が強く、アメリカでは「大衆文化そのものをアートにする」という方向性に発展していったのです。
なぜ「ポップアート=アメリカ」になったのか?
ポップアートが世界的に広まったのは、やはりアメリカでの大成功が影響しています。
メディアの力によって、ウォーホルやリキテンスタインの作品が世界に発信され、アメリカのポップアートこそが「ポップアート」の象徴となっていきました。
起源や意味合いが変わっても、言葉だけが広まり、認識が定着してしまう――アートの歴史には、そんな不思議な現象もあるのです。
ポップアートの流れを受け継ぐ、KIKICOCOの「NOBLE!NOBLE!NOBLE!」
KIKICOCOは、旅するふたり――KIKIとCOCOが世界各地で得たインスピレーションをMashupし、異なる文化や価値観から新しいスタイルを生み出すライフスタイルブランドです。
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